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本質に迫る ことだけを選べば、人生がシンプルになる
何ごとも「本質に迫る」ことを厳選することで、シンプルにすることができる。
はじめにしっかりと選んでから、それ以外の余分な部分を減らす。
ただやみくもに減らすだけでは、大事なところまでそぎ落とししまいかねない。
ではまず、「本質に迫ること」を見極めるにはどうすればいいだろう?
肝心なのは、そこだ。そのコツさえつかめばあとは簡単だ。
昔こんな笑い話があった。
なあ、木彫りの象ってどうやって作るんだ「そりゃあ簡単だ。
象らしくないところを全部削ればいいんだよ」なるほどその通り。
そのためにはまず、象の姿をしっかりと把握しておかないと。
生産性だけ上げても意味はない世間で紹介されている「生産性を上げるコツ」には、順序があべこべのものが少なくない何をすべきかを考えるより、とにかくなんでも手早く済ませることに終始ている。
売りになっているのは、急ぎのタスクを一気にかたづけるワザや、洪水のように襲ってくる仕事や情報を次々とさばいていくテクニック。
しかし、そんなやり方では、飛び込んできたものを何もかもやるはめになってしまう。
これでは仕事や情報の洪水に足をとられてしまうだけ。
つまり、他人のニーズや気まぐれに翻弄されるだけなのだ。
そうならないためには、何をするにもまず「本質に迫ることはなんなのか」を自問すること。
どのEメールに返事をすべきか迷ったときも、タイトな予算で今月は何が買えるだろうかと悩んだときも、デスクの上や家の中をどうかたづけようかと途方にくれたときも「本質に迫ることはなんなのか」をまず考えてみてほしい。
それでこそ、ものごとが正しい順序に整う。馬は荷車の前に。
馬が後ろでは進めない。いつも最初に「本質に迫ること」を見極めてからひとつひとつ達成していこう。
「 本質に迫ること 」を見極める9つの質問何をするときもまっ先に以下の9つの質問をして、「本質に迫ること」を見極めよういったんコツをつかめば、無意識のうちにできるようになるはずだ。
あなたが「これだけには思い入れがある」というものはなんだろう?
これからどんな人になりたいだろう?
人生のポリシーは?
自分の価値観をしっかりと自覚できれば、それがすべての軸となる。
何を選ぶべきかがそこから見えてくるはずだ。
あなたが人生で成し遂げたいことはなんだろう?
この1年でやりたいことは?それとも今月中なら?
今日中なら?
がゴール達成のために必要かどうかを考えればいい。
ゴールさえ定まっていれば、やるべきことや買うべきものに悩むことがあっても、それがゴール達成のために必要かどうかを考えればいい。
あなたにとってそれは本当に必要だろうか?「ただ欲しいだけ」ではないだろうか?大切なことさえはっきりすれば
「ただ欲しいだけのもの」はリストから外していける何しろ大切ではないのだから。
「これなしではやっていけない」と思うものはなんだろう?
一番一緒にいたい人は?いつも夢中になれることはなんだろう?
趣旨は3と同じだ。リストアップしてみよう。
あなたのキャリアや人生で、一番大切なことはなんだろう?いろいろな状況や場面で考えてみてほしい。
複数の中から選択するときは、あなたのキャリアや人生に「一番大きな変化を生み出すものはどれか」を考えてみよう。
たとえば、顧客に電話をかけるか、直接出向くか、手紙を書くかで迷ったら、それぞれがもたらすインパクトを具体的に考えてみるといい。
顧客に電話をすればひとり当たり100ドルほど使ってくれそうだ直接出向いて契約をとれれば1万ドルのビジネスが見込める。手紙は、読んでさえもらえないかもしれない……。とすれば、直接出向くことを選ぶべきなのだ。
影響力の大きさと長期的なメリットは、いつも一致するとは限らない先ほどの例でいくと、
顧客のところに直接出向いて商談すれば、来週には1万ドル舞い込むかもしれない。
しかし、マーケティングキャンペーンを展開すれば、1年後にその何十倍もの利益が出る可能性がある。
ただし、インパクトの大きさは込ずしも金額を基準にする必要はない。
あなたにとって価値あることを基準に考えてみよう。
それとも「欲しいもの」?これは買い物に迷ったときに有効な手がかりになる。
逆方向から考える手もある。
つまり、「本質に迫ること」ではないことをリストから消していくのだ。
たとえば、車を洗うことなんて、請求書の支払いをしたり、水道代をバカみたいにかさませる水漏れを直したりすることに比べたら、重要ではない。
大切ではないことを削っていけば、自然と大切なことだけがリストに残る。
一気に「本質に迫ること」だけのリストを作るなんてなかなかできることではないまず重要ではないものをいくらか減らして残ったものをもう一度洗いなおしてみよう。
1〜2週間後にまた見なおして、さらに減らす。
このプロセスを繰り返して、「よし!もうこれ以上減らすものはないぞ」というところまできたら完成だ。
9つの質問は、何があなたにとって「本質に迫ることなのかを把握するには、実にいい方法だ。どんな場面にでも当てはめて考えることができる。
仕事、Eメール、家計のやりくり、人生の目標、さまざまな約束ごと、散らかり放題のデスクや家の中……。
対象がなんであろうと、つねに一番大切な最初のステップは「何が本質に迫ることなのか」を見極めることだ。
それでこそシンプルで効率的な生き方ができる。ほんの数分でもいいから一度立ち止まって、今やっていることを広い視野から見つめなおしてみよう。
あなたにとって「本質に迫ること」とはなんだろうか?
あなたは今「本質に迫ることに集中しているだろうか?
それ以外の「本質に迫ることではないことは減らしていけるだろうか?
こんなふうに時間をとって考えてみれば、本当に大切なことが見えてきて、やりたいことに集中できるようになる。
大切なことに集中すれば、大切なことを達成できる。どうでいいことや、ゴールの達成につながらないことに割いていた時間を大切なことにまわせるようになる。
ではここからは、9つの質問をどんなふうに実際の場面に当てはめていけばいいのか、いくつか例を挙げてみよう
あなたの人生で本質に迫るコミットメントとはなんだろう?
9つの質問(特に価値観、ゴール、心から好きなものに関する質問)をして見極めていこう。
新年を迎えると、「あれをやろう」「これをやろう」といろんな欲が出てくる。
しかしあとで振り返ると、実際には思い通りになっていないことが多い。
その理由は、ゴールをたくさん設定しすぎることだ。
年にひとつか2つのゴールに減らして集中しよう。9つの質問をすれば、どのゴールが重要なのかを見極められる。
重要度が低いゴールには、あとでとりかかればいい。
ToDoリストが長くなったら、シンプルに短くしよう。
9つの質問をすれば優先するべ36のがわかる。9つの質問のうち、ここで一番関連が深いのはゴールと影響力に関するものだ。
返信の胶要なEメールが20通あったら、9つの質問で重要な3S5通を選んで今日返信しよう。
それ以外は明日にすればいい。大胆にいく勇気があるなら削除してしまおう
「必要なもの」か「欲しいもの」かの区別も大切だが、ゴール価値観についての質問も肝心だ。
ゴールと価値観に照らして出費を考えれば、「本質に迫ること」ではないことへの無駄づかいをぐっと抑えられる。これでふところ具合も安心だ
必要なもの」か「欲しいもの」かの質問でいらないものを削り、見なおしを繰り返そうガラクタが少しずつ減っていって、最後には本当に必要なもの、あなたが心から好きで実際に使っているものだけが残る。
1回の質問で「本質に迫ること」だけに絞り込むなんて、まずできることではない。
価値観やゴールが変わることもあるし、制限に慣れ、ものの見方が変わることもある。
いったん「本質に迫ること」ではないことを減らしたら、あらためてチェックする日を決めてカレンダーに印をつけよう。
そうやって何度か見なおしを繰り返す。
減らすことだけにムキになってあせらずに、ぜひ過程を楽しみながらやってみてほしい。
いらないものを減らしてシンプルにするのは、人生を空っぽにするためではない。
本当にしたいことをするための余裕を持つためだ。
自分に欠かせないものはなんなのかをしっかりとつかんでから、シンプルを目指そう。