スルガ銀行 、新生銀行と資本・業務提携へ

スルガ銀行 、新生銀行と資本・業務提携につてのまとめ

スルガ銀行

スルガ銀行 、新生銀行と資本・業務提携へ

経営再建中のスルガ銀行は13日、新生銀行と包括提携する方針を固めた。新生銀から数%の出資を受け入れ、住宅ローンをはじめ個人金融業務を軸に幅広く連携する。新生銀の支援を受けながら、投資用の不動産向け融資をめぐる資料の改ざんなど不正行為で失った信頼の回復をめざす。

スルガ銀 の支援先選定、ノジマとSBIの一騎打ちに金融庁が「待った」で混迷

女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」のオーナー向け融資で審査書類の改ざん疑惑などが浮上して経営不振に陥っていたスルガ銀行が外部からの支援を仰ぐことになり、現在、支援企業の選定作業が最終局面を迎えている。5月15日の決算発表までには決定すると見られているが、土壇場になって金融庁の思惑も絡まり、最後まで予断を許さない状況だ。

スポンサー企業選定が大詰めりそなは業務提携にこだわり離脱

スルガ銀行をめぐっては、2018年2月、審査書類を改ざんして「かぼちゃの馬車」のオーナーへ融資した不正が浮上し、第三者委員会が不正を「組織的」と認定したほか、猛烈なノルマ営業やパワーハラスメント被害、そして創業家の関連企業への不適切融資や反社会的勢力との取引などが次々に浮上。10月に、金融庁が一部業務停止命令を出していた

スルガ銀行は、停止命令が4月12日に終了したことを受けて、5月下旬からの業務再開を目指していたが、経営再建に当たって信用補完が必要だと判断、スポンサー企業からの支援を仰ぐことにした。

 当初、りそなホールディングスと優先的に交渉を進めていたが、りそな側が資本提携まで踏み込まず、あくまで業務提携にこだわった。「不動産向け融資が、どの程度不良債権化しているのか不透明で、及び腰になった」(金融関係者)ためだ。加えて、「りそな自身の、施工不良が見つかった賃貸アパート大手、レオパレス21向けの融資の多さが問題視された」とも言われ交渉が頓挫、スルガ銀行は交渉先を拡大させた。

優勢なノジマに対しSBIが猛攻勢

そこで浮上してきたのがノジマだ。ノジマは市場で4.98%のスルガ株を取得、数百億円を投じて傘下に収めるべく交渉を続けてきた。

 関係者の話を総合すると、ノジマは17年に富士通から買収、個人向けインターネット接続事業を手掛けるニフティのほか、携帯電話販売の大手代理店ITXなどを傘下に抱えている。こうした企業群とスルガ銀行を有機的につなげることで、先進的なフィンテック事業を手掛ける銀行に生まれ変わらせるという戦略を提案しているもようだ。

 ただ、一部に「異業種企業に銀行を再建することができるのか」と問題視する声があるのも事実。確かに過去のケースでは、銀行同士による救済合併や経営統合しかなかった。

 これに対し、ノジマ関係者は「キャッシュレスやフィンテックなど、金融を取り巻く環境は激変しており、旧態依然とした銀行同士では新たなビジネスモデルを創出できない。地方銀行に対しては、金融庁も監督指針に見直しに乗り出し、生きる道を自ら模索するよう求めており、これまでにない形の支援・再建が必要なのではないか」と訴える。

 これに対し、猛攻勢を掛けているのがSBIホールディングス。スルガ銀行とは、北尾吉孝社長がソフトバンクに在籍していた00年に「スルガ銀行ソフトバンク支店」を設立、銀行と証券をシームレスにつないだ営業でトップクラスの支店にしたという浅からぬ縁もある。

 そんなSBIは、三井住友信託銀行と共同で設立した住信SBIネット銀行なども用い、スルガ銀行の顧客基盤を使って相乗効果を狙うとの提案をしている模様だ。

 北尾社長は18年秋、「われわれならスルガ銀行をうまくマネージすることができる自信がある」と意欲を示し、水面下で株式を取得する可能性も示唆しているというが、「スルガ銀行内に、SBIに対する猛烈な拒否反応がある」(関係者)とも言われており、微妙な状況だ。

土壇場で金融庁が「待った」を掛ける

一時は、優勢なノジマに対しSBIが攻勢をかけ、一騎打ちの様相を呈していた。ところが、ここで金融庁が待ったを掛ける。事情に詳しい関係者によれば、「最終段階になって、金融システムの安定を気にした金融庁が銀行による支援にこだわりを見せ始めた」というのだ。

 そこで、金融庁が秋波を送っているのが新生銀行。経営破綻後、一時国有化を経て再建したノウハウに加え、消費者金融など個人向け業務に力を入れており、スルガ銀の事業モデルと重なるためだ。

 当初、他の陣営と共同で買収に加わる可能性も探ったが、新生銀行は主導権を握る立場にこだわったために早々に離脱した。だが、金融庁の意向を受けて、改めて単独での買収を検討している模様だ。ただ、15日がタイムリミットだとすると、資産査定にかける時間がわずかで、間に合わない可能性も大きい。

 ノジマもこうした金融庁の意向を気にはしていた。そのため、やはり経営破綻後に再建した銀行の他、大手地方銀行などとの共同買収も視野に入れている。

 ただ、陣営によって、子会社化まで目指した買収なのか、資本提携なのか、それとも業務提携なのかについては濃淡がある。

 というのも、不正の温床となった不動産融資が、貸出金の3分の2近くを占める収益の柱だったからだ。業務停止命令が終了し、業務改善計画を発表した直後から融資を再開する方針だが、過去の規模ほど融資が増えるとは思えない。また、もう一つの柱だった個人向け融資についても金融庁の目が光っていて苦戦が予想され、「収益の大幅な減少は避けられない」(同)。

 合わせて、収益力の毀損や貸出の不良債権額などが固まらない中で、TOB(株式公開買い付け)価格をいくらにするのかについても難しいところだ。

 スルガ銀行は5月15日に決算発表を控えている。それまでに支援先を決定し、新たな再建への道を描くことができるのか。時間は残されていない。

スルガ銀行について

スルガ銀行株式会社(スルガぎんこう、英称:Suruga Bank Ltd.)は、静岡県沼津市に本店を置き静岡県・神奈川県を主たる営業エリアとする日本の地方銀行である。実店舗は五大都市圏でも展開しており、ネットバンキングでは全国展開している。沼津市の指定金融機関。

1887年(明治20年)に岡野喜太郎が結成した共同社を前身として、1895年(明治28年)に設立された。「スルガ銀行」の表記は、同行の商号が株式会社駿河銀行であった1990年(平成2年)から使用し、2004年(平成16年)に正式に商号とした。

ネットバンキングへの着目や他業態との提携など、耳目を引く個性的な営業戦略を次々と打ち出し、ネット支店を開設した2000年(平成12年)前後には、株価が一時2,590円とバブル期をはるかに超える高値で取引されたが、2018年に1兆円を超える不適切融資が発覚すると、株価は620円まで下がりストップ安となった。

新生銀行について

株式会社新生銀行(しんせいぎんこう、Shinsei Bank, Limited)は、東京都中央区に本店を置く普通銀行である。

1998年(平成10年)10月に、経営破綻し日本政府により一時国有化された日本長期信用銀行は、2000年(平成12年)3月、中央三井信託銀行グループ他との競争入札の末にアメリカの企業再生ファンド・リップルウッドや他国の銀行らから成る投資組合「ニューLTCBパートナーズ」(New LTCB Partners CV)に10億円で売却された。代表取締役(2004年(平成16年)6月の委員会等設置会社移行に伴い代表執行役)会長兼社長にエクソンモービルやシティバンクで日本代表を務めた八城政基が就任。同年6月に「新生銀行」に改称した。

新生銀行の取締役会には、スタンフォード大学のMichael Boskin博士、サンタンデール銀行会長のEmilio Botin、リップルウッドのTimothy C. Collins、新日鉄(新日本製鐵)(現・新日鐵住金)名誉会長の今井敬、日銀の可児滋、三菱商事の槙原稔、UBSペインウェーバーのDonald B. Marron、メロン・フィナンシャル会長兼社長のMartin G. McGuinn、ロックフェラーグループ元会長のDavid Rockefeller Jr.、他5名が席を占めた。

ニューLTCBパートナーズとのパートナーシップは2006年(平成18年)11月に解消され、これにより2007年(平成19年)2月でRHJインターナショナル(旧リップルウッド・ホールディングス)の最高経営責任者であるティモシー・C・コリンズは新生銀行の取締役を辞任した。

2010年(平成22年)6月、あおぞら銀行との合併破談や赤字決算、業務改善命令発動の見通しなどの要因が重なったことから、八城政基取締役会長代表執行役社長らの経営陣が退任を余儀なくされ、旧第一勧業銀行・いすゞ自動車出身の当麻茂樹を代表取締役社長として迎える体制となった。2015年6月で当麻社長が体調不良を理由に相談役に退き、後任には同じくDKB出身の工藤英之常務執行役員が昇格。この人事に関しては、あおぞら銀行やりそなホールディングスが公的資金完済の道筋をつけたにも関わらず、返済の方途を示せない新生銀に対し、金融庁からの圧力が強まり辞任に至ったとの見方も報道もされている。

インターネットバンキングでの振込手数料の無料化やATMの365日24時間営業、窓口営業時間の延長、円建てと外貨建ての預金がワンセットになった預金通帳を発行しない総合口座「PowerFlex」の販売など、リテール業務の充実を図りつつ、投資銀行業務などを主軸に積極的な業務展開を行っている。

2014年(平成26年)9月10日、セブン銀行が新生銀行の35店舗内のATM全76台の運営業務を受託したと発表し、2017年6月23日までに新生銀が自行で設置するATMは0台となった。

2001年6月より開始した中核店舗で個別ブースを設けた資産運用コンサルティングサービスやコールセンター・インターネットバンキングでの金融商品提供など、リテール分野での付加サービス拡充を強化している。

スルガ銀行公式ホームページ:https://www.surugabank.co.jp/surugabank/index.html